研究ノート
2021.06.30
思いついたアイデアはすぐに実験してみる。
失敗じゃない。予想外の結果を次につなげるのが楽しい。
【第1回】
三浦慧宇さんKeiu Miura薬学/サイエンスって何を学ぶの? 日々研究に打ち込む学生に話を聞いてみました。
三浦さんが取り組んでいる研究テーマについて教えてください。
私の研究テーマは「新しい光酸化反応の開発」です。光反応とは、光により引き起こされる様々な化学反応のことです。従来の光反応で用いられる紫外光はエネルギーが高く、望まない反応が起きてしまうということが多々ありました。そこで近年、よりエネルギーが低い可視光で反応を進行させる手法が世界中で研究され、新しい反応が次々と報告されています。
光を使う反応のメリットは何ですか?
光反応では、加熱では生成しない化合物を得ることができます。また、薬を創るうえでもメリットが期待されます。薬の合成には何工程もの化合物変換が必要ですが、光反応を利用すると、その工程を大幅にショートカットできる可能性があります。
時間を短縮できるのですね。
そうですね。薬の開発コストや研究期間が削減できるので、より多くの人に迅速に薬を届けることができるだけでなく、持続可能な社会につながると考えています。そうしたことを可能にするような新しい光反応の開発を目的に、日々研究を続けています。
研究が面白いと感じるのはどんな所ですか?
実験は成功ばかりではないと思いますが、うまくいかずに嫌になることはないですか?
実は失敗も楽しいんですよ。うまくいかなくても、それを検証すれば次へのステップにもなりますし、予想していなかった新反応を発見することもあります。そうしたことも、実験の楽しさの1つですね。
科学に興味を持ったきっかけは?
最後に、科学を志す学生へメッセージをお願いします。
少しでも科学に興味があるなら、やっぱり実験をやって、ぜひその楽しさを味わってほしいですね。自分の手で何かを作ることの喜びもダイレクトに感じることができると思いますよ。
三浦慧宇(みうら・けいう)
横浜薬科大学 薬学部薬科学科4年(大学院進学予定)
趣味は映画鑑賞。好きな映画はシャイニング、ジョーカー、レオン。アニメは秒速5センチメートル、もののけ姫、猫の恩返し。ほか
(取材実施 2021年5月)
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