研究ノート
2021.07.20
ずっと結果が出なくてくじけそうになることもある。
しかし、それが達成したときの大きな喜びにつながる。
【第2回】
菅原舜さんSugawara Syun薬学/サイエンスって何を学ぶの? 日々研究に打ち込む学生に話を聞いてみました。
菅原さんが取り組んでいる研究テーマについて教えてください。
私は、熱帯病であるアフリカ睡眠病とシャーガス病の新規治療薬として期待されているアクチノアロライドAという有機化合物の化学合成を研究しています。菌が生産するアクチノアロライドAに加え、天然から得られない類縁体の創製も期待されており、簡便な化学合成手法の開発が求められています。
日本ではあまり知られていない病気ですよね?
そうですね。どちらも寄生虫の感染によって発症する病気です。現在用いられている治療薬には、病気の原因となる寄生虫が耐性を獲得して効果が弱まったり、強い副作用があったりする問題があります。私が行っている研究は、耐性ができたとしてもすぐに別の薬が作れるようにすることを目的としています。
壮大なミッションですね!どうしてこのテーマを選んだのですか?
学部3年の4月に研究室配属になったときにいただいたテーマです。卒業研究でテーマがある程度進んだのですが、そのまま卒業・就職すると一番重要な部分をやらないままになってしまうと考え、もっと深くこのテーマに取り組むために大学院に進学することにしました。
研究で面白さややりがいを感じる時はどんなときですか?
大学では、最初から研究や実験をやりたかったのですか?
将来的にはどういう道に進みたいですか?
薬学系や化学系などの、実験などで実際に手を動かす職に就きたいと思っています。入学前は、薬学系の就職先は薬局や製薬会社しかないと思っていましたが、入学後、特に研究室に入ってから視野がすごく広がったなと実感しています。
最後に科学を志す学生へメッセージをお願いします。
私自身がそうだったように、科学はやればきっと面白さを感じられると思うので、少しでも興味があるなら積極的に調べたり人に聞いたりしてほしいですね。学校を選ぶ際も、偏差値などの数字だけでなく、それ以外の部分もすごく大切だと思っています。何年生のどの時期に研究室に入れるかは大学によっても違うので、そういった情報を知るときっと選択肢も増えてくると思いますよ。
菅原舜(すがわら・しゅん)
横浜薬科大学大学院 薬科学専攻 修士課程2年
趣味はテニスと読書とゲーム
(取材実施 2021年5月)
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