2021.11.24

AIの分野では新しい技術が次々と登場する。追いつくのは大変だがかなり面白い。

【第6回】

石原和彬さんIshihara Kazuaki

薬学/サイエンスって何を学ぶの? 日々研究に打ち込む学生に話を聞いてみました。

石原さんが取り組んでいる研究について教えてください。

私が行っている研究は、機械学習(AI)を使って化合物(薬の成分)の化学構造から、心臓毒性の有無を調べる方法の開発です。医薬品の研究開発において、安全性の確認はとても重要な問題です。AIを利用して効率的に調べていくのですが、汎用のアプリよりも精度の高いもの作ることを目指して取り組んでいます。

心臓毒性は頻繁に観察されるものなのでしょうか?

実は臨床試験と承認後の研究では、30〜40%の心臓毒性の報告があります。初期段階で化合物の心臓毒性の有無を調べることは、安全性だけでなく、医薬品の開発費用の削減にもつながるため、重要な取り組みだと考えています。

この研究テーマを選んだ理由を教えてください。

ITがものすごいスピードで進化しており、様々な分野で活用されています。私は高校生の頃からITに興味をもちはじめ、知識を身につけておくと今後有利になると考えていました。以前から独学でプログラミングの勉強をしていたので、研究でもそれを生かして取り組みたいと思ってこのテーマを選びました。

一方、薬学部に進学したわけですが、薬学についても興味があったのですか?

はい、IT化によって人の仕事が奪われると言われていますが、薬のような人に寄り添うものは決してなくならないと思っています。そこで、大学ではITと薬学を掛け合わせたような研究をやりたいと思い、薬学に関する研究ができる大学を選択しました。

研究の中で面白いと思える瞬間はどんな時ですか?

人工知能の進化はすさまじく、数ヶ月で新しい技術が登場する世界です。「これはなんだ?」ということも次々に出てきて追いつくのに精一杯ですが、新しいことを学べるところはすごく面白いですね。

今後の進路や将来的な夢を教えてください。

卒業後は人工知能について学べる大学院への進学を予定しています。人工知能は本当に色々なところに使われているので、将来はそうした知識を活用できる仕事に就きたいと考えています。

最後に、進路について考えている後輩たちにメッセージをお願いします。

何かしらの新しい知識に対する好奇心を大切にしてもらいたいですね。自分の知らないことは世の中にたくさんあるので、そうした未知のことに触れる楽しさを知ってほしいと思っています。

石原和彬(いしはら・かずあき)

横浜薬科大学 薬学部薬科学科4年 機能性物質学研究室
趣味はダーツ。自宅にダーツボードがある。

(取材実施 2021年7月)

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