2024.02.09

地域の課題から世界まで視野を広げよう 三浦学苑高校「総合的な探究の時間」発表会

2月1日、三浦学苑高等学校(神奈川県横須賀市)では、進学コースの生徒が「総合的な探究の時間」で半年間取り組んだ学習成果の発表会を開催した。学習プログラムに協力した外部の教育関係者などもオンラインで発表の模様を視聴し、講評を行った。
今回生徒たちが行なった発表演題は16題で、地域の福祉を充実させるためのアイデア、栄養と食生活改善の提案、精神的負担を軽減する試みなど、現代社会の問題点に対して踏み込む内容が目立った。

ゲームでのコミュニケーションで関係性を改善し、生産性を高めるアイデア

発表のなかの一つ、「社会人の心理的安全性を向上させるためのカードゲームを用いたトレーニングの提案」(発表者:1年生 石井佳那さん、古賀華泳さん、鈴木勇人さん、小林帆稀さん)は理想的な組織作りのための提案だ。
企業などの組織ではチーム間コミュニケーションを深めてアイデアの提案が活発に行なわれることで生産性は向上するが、そのためには従業員が抱える不安を軽減して幸福度を上げる必要がある。そのような組織づくりにはリーダーが「心理的安全性」を理解することが不可欠であるとの先行研究がある。
この前提を受けて発表者は、「お互いのことがわかり合えることで安心して仕事に励める」との仮定を立て、リーダー層が心理的安全性について理解を深めるための「心理的安全性ゲーム」と「アンガーマネジメントゲーム」を掛け合わせたカードゲームを考案した。色々な状況のケースを示し、どの程度の喜びと怒りを感じるのかを周りが予想して点数を付けるというものだ。





このゲームを繰り返し行うことにより、相手の感情を読みとり、配慮した発言や行動をとるトレーニングになるとして発表をまとめた。

担当した安宅隆教諭は探究学習について「自分で問いを立て、予想を立てて探究することには難しさがある。しかし難しいからといって避けるのではなく解決に一歩近づくための時間にして欲しい」と探究の時間に取り組む姿勢について述べ、「ひとりでも多くの高校生が自分達の住む横須賀、神奈川の地域の問題について考え、さらに日本や世界全体をより良くしたいと意識ことができる機会にしてほしい」と期待を込めている。


この記事をシェア!

▲