2025.06.09

学会発表に向けて高校生が細胞外マトリックスの実験実習に参加
お茶の水女子大学

5月5日、6日の両日、お茶の水女子大学ヒューマンライフサイエンス研究所は高校生対象の細胞実験実習「動物細胞の培養と細胞接着」を実施した。実習には神奈川県立横須賀高等学校(横須賀市)と湘南白百合学園高等学校(藤沢市)から有志の生徒が参加。宮本泰則教授と橋本恵特任講師が講義を行い、実験を指導した。

この実習は、今年8月29日、30日に神奈川県内で開催される学会「第11回マトリセルフォーラム」に向けたものである。
マトリセルフォーラムとは、大学や企業の研究者が「細胞外マトリックス」に関する研究発表を行う研究会だが、今年は初めての試みとして、若い世代にも細胞外マトリックスの魅力を学んでもらうために高校生発表のセッションが予定されている。

細胞外マトリックスとは?

ヒトをはじめとする動物の体は、細胞が組織を形成し、組織が器官を形成することで成り立っている。
細胞が組織を形成する際、細胞同士が接着していることは理解しやすいが、最近の研究から、単に接着しているだけではないことがわかってきた。
細胞の接着は、「細胞‐細胞間接着」と「細胞‐基質間接着」の2種類に大別されるが、細胞‐基質間接着の重要性が明らかになってきたのは、ここ20年ほどのこと。
基質とは、生体内において細胞と細胞の間隙を埋めている物質の総称で、「細胞外マトリックス」とも呼ばれている。
(細胞外マトリックスの成分としては身近なものではコラーゲンやヒアルロン酸なども挙げられる) 。

今回の実習では、代表的な細胞接着分子であるフィブロネクチンを用いて、BHK細胞(ハムスター胎児肝臓由来の細胞株)の細胞接着や細胞伸展活性による形態の変化を観察した。

高校生たちは今回の実習の内容をもとに、学会で発表を行う予定である 。

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