コラム
2026.02.18
医療・健康における課題を自分事として 三浦学苑高等学校「総合的な探究の時間の発表会」


2月5日、三浦学苑高等学校(神奈川県横須賀市)にて「総合的な探究の時間の発表会」が開催され、普通科進学コースおよびIBコース(国際バカロレアの考えに基づく国際教育を実践)の生徒たちが、半年間にわたって取り組んできた学習の成果について発表を行いました。
総合的な探究の時間で取り組まれたテーマとしては、高校生活での身近な自分事から、地元横須賀地域における観光や、経済問題から世界と地域の関連性を考えるもの、関心ごとのトレンドとしてAIとの向き合い方を模索するものなど幅広く取り上げられ、1、2年生合わせて全39題の発表が行われました。
中でも医療に関するテーマを取り上げる探究課題も多く、発表会には医療系の大学教員も参観に訪れて、発表に対してコメントやアドバイスを送りました。
今回の発表会の中から健康・医療に関する発表を2題ご紹介します。
2年生発表グループ「災害が起きたとき救急隊や支援が来るまでに私たちができること」
この発表グループは、大地震などの災害時に防災情報ポータルになり、救急支援を要請するなどの機能を搭載した防災アプリ「Sienta」(シエンタ)の開発を構想。スマホに標準搭載されるくらいに普及を目指したいとの意気込みを語り、その機能と方向性を説明しました。
同アプリは平時では防災チェックリストや身近なハザードマップ作成など防災支援機能を持ち、いざ災害が発生した際には安全確保のための情報収集やGPS機能による救助要請を発信する機能を有します。
聴講した大学教員からは、災害医療の観点から、高齢者や治療中の患者にとっては災害時の医薬品供給が混乱することから、アプリに服用薬登録機能を追加するべきという意見や、同じく救急医療者への医療情報提供のためにマイナポータルと同期する設定があると良い、といった現場視点のアドバイスが行われました。
1年生発表グループ「高校生の食生活から考える生活習慣病の予防」
高血圧、糖尿病、脂質異常、がん等の生活習慣病疾患群は、食習慣や運動習慣、喫煙などの生活の乱れを原因としており、かつては成人病と言われていたものの、近年は若年層にも見られるようになっています。
このグループでは高校生でも親の管理から離れてしまうことで生活習慣病になりやすくなるのではないか?とのリサーチクエスチョンを立てて調査を行いました。
実際に校内生徒を対象にしたアンケートを実施し、部活や通学時などの運動実施状況、食生活が規則的にできているか、といった項目で生活面での詳細な実態を集計。朝食を抜いている人や運動を実施できていない人など、改善が求められるケースを明らかにしました。
そのうえで、筋肉をつけるための食事、効率的な栄養摂取について調べた内容をまとめ、高校生が実践できる生活習慣病予防の方法について提言しました。
各発表後には参観に来校した医療系大学の教員からの講評とアドバイスを受け、中には専門家ならではの厳しい指摘も入るなど、机上での学習と現実社会とのギャップに気付かされる場面も見受けられ、生徒たちにとっても集大成を発表する場でありながら新たな刺激を受ける一コマとなったようです。
これから進学したり社会に出ていくうえで、この探究学習を通じて得た経験は、自分の立ち位置を理解し、どう判断し行動していくべきかを考える糧になったはずです。






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