2022.11.29

イベントに参加して情報収集、探究学習で自分をアピールできる活動に取り組む

【第6回】

関東学院六浦中学校・高等学校
理科教諭(中学理科1分野・高校化学)
進路部 進学支援課長 芹田祐一先生

理系生徒の進学・就職について最近の傾向やアドバイスを伺うコーナー。
今回は、中高一貫校である関東学院六浦中学校・高等学校(神奈川県横浜市)の芹田祐一先生に、合格に向けて確実に準備すべきことを聞きました。

どのような学部・学科を目指す人が増えているか

資格を取って確実に就職を決めることができる分野として、医療系を目指す生徒が増えています。本校はキリスト教の精神を建学の精神とし、またコロナ禍において医療の大切さが再認識されたことから、将来は人の役に立ち、社会に貢献する医療系の仕事がしたいという気持ちも強まっています。

情報系、特にソフトウェア開発などにも根強い人気がありますが、今の社会では、単に知識や技術があるだけでなく、データを分析するための思考力や判断力、さらに自らの考えやアイディアを発表するための表現力が求められています。これからは、日本のものづくりを支える理工系の志望者も増えてくれればと思い、セミナーや探究プログラムなど、きっかけ作りの場を提供したいと考えているところです。

情報収集と準備を成功させる秘訣

インターネットで大学の情報を収集するのがまず第一歩です。そして興味を引かれた大学について、自ら足を運んでオープンキャンパスや公開プログラムなどに、積極的に参加してください。

昨年度、とある女子生徒が、社会の課題解決に取り組む学びを行う九州大学共創学部に合格しました。元々「動物にかかわる仕事がしたい。でも、目指すのは獣医ではない」と思っていたところ、たまたま九州大学ウェブサイトや受験雑誌などで共創学部の存在を知り、学部のイベントに参加したのです。そこで、「人と動物の共生について学びたい」と考えるようになり、熱心に準備を進めて学校推薦型選抜(公募推薦)で合格を果たしました。

このように、自分の目標をはっきりさせ、大学で何を学びたいか、将来どのような仕事がしたいかというストーリーを明確に組み立てると、進路が選びやすくなり、受験の成功にもつながります。

計画的に準備を進めるためのアドバイス

本校では全体の3分の2程度の生徒が、総合型または学校推薦型選抜で進学しています。大学には、高3の1学期までの成績を「評定平均値」として提出します。そこで、まず学校での学習に真剣に取り組み、一定以上の評定を得られるよう努力することが大切です。

その一方で、学校の『総合的な探究の時間』の授業などによって、高校時代の取り組みとして大学にアピールできる実績を作っていきます。大学が提供している高校生向けの研究プレゼンテーションの機会などを活用するのもいいでしょう。
また、理系でも英語がますます重視されていることから、英語の資格を取っておくことも大切です。例えば英検では準1級を取得しておくと有利になると言えます。

ただし、「自分は総合型」「私は学校推薦型」とあらかじめ決めてしまうのではなく、希望の進路を実現させるための一般選抜も視野に入れてください。本校では高2になると多数の選択科目の中から授業を選ぶことになりますが、このとき、志望する大学の受験科目を意識しておく必要があります。

高校生へのメッセージ

中高一貫校である本校では、中学のうちから卒業後の進路を意識しており、医療系の大学の先生や医療機関に働いている方々、医療系専門予備校の先生を講師として招く「KGMメディカルセミナー」には、中学3年生から参加しています。
また、地元神奈川県では「かながわサイエンスサマー」といって、県内の科学館や大学、研究機関、企業が科学講座や体験教室を実施するイベントを毎年夏に開催しています。こういった行事に参加することも、社会の中でのさまざまな可能性を知り、自分の興味関心を見極めるための、よいきっかけになるでしょう。将来社会でどのように活躍したいのか、ぜひ早いうちから自分と向き合って考えるようにしてください。

今回お話を伺ったのは
関東学院六浦中学校・高等学校
理科教諭(中学理科1分野・高校化学)
進路部 進学支援課長 芹田祐一先生

関東学院六浦中学校・高等学校ホームページ

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