2025.02.26

科学の探究を通じ学校の枠を越えた交流の機会に ~ 令和6年度横浜薬科大学主催 高校生理科系研究発表会

2025年2月3日、横浜薬科大学主催の「令和6年高校生理科系研究会」が開催されました。今年で第4回目の開催となっており、回を重ねるごとに発表数も大幅に増え、なんと今年は23題もの発表演題が集まりました。生物、化学、物理、環境等、様々な分野の発表が一堂に会し、審査員である大学教諭だけでなく、発表者たち同士の研究分野を超えた議論や交流がみられ、大変有意義な研究発表会となりました。
このイベントは横浜薬科大学薬学部の薬科学科(4年制)の卒業研究発表会とのコラボレーション企画であり、高校生にとっても薬学・医学・工学を融合した創薬・薬科学の研究成果に触れる機会にもなりました。
ここでは高校生の研究発表内容を紹介します。

研究タイトル「セミとセミの好む環境の関係性(第一報)」環境生物学賞

東海大学菅生高等学校 自然科学部
山村実優莉さん(1年)、鈴木結友さん(1年)、髙山琴音さん(1年)、川島廉陽さん(1年)、吉野泰雅さん(1年)、倉井心優さん(1年)、原田暖太さん(1年)、神宮一真さん(1年)、八坂悠慎さん(1年)、植松凛久さん(1年)

本研究では、セミの幼虫の生息環境と土壌の関係について調査しました。セミの個体数は樹種だけでなく土壌硬度とも関係しているという先行研究より、今回は土壌硬度と土壌生物分布に着目し、ツルグレン装置やハンドソーティング法を用いて、土壌中のセミの幼虫の有無の調査を行いました。その結果、採取する土の深度25cm前後の条件では菅生山坂上でコガネムシの幼虫は確認できましたが、セミの幼虫は見つけられず、深度20cm~70cm以内の範囲を目安として調査したところ、菅生山中でアブラゼミの幼虫を発見しました。今後は調査範囲を広げ、より詳細な生息環境の解明を目指します。

PS-1

研究タイトル「デザイナーベイビー ~ゲノム編集~」生命倫理学賞

英理女子学院高等学校
宮本一樺さん(2年)、高橋七虹さん(2年)、関月渚さん(2年)、内山ももさん(2年)

本研究では「デザイナーベイビー」が導入された世の中におけるその社会的影響について考察を行いました。英理女子学院高等学校全校生徒、教員、一部の保護者の計316名に対し、アンケートを実施し、子どもが欲しいかどうか、デザイナーベイビーを受け入れられるかどうかを調査しました。その結果、約8割の人がデザイナーベイビーの導入に否定的でしたが、肯定派の意見には子育て経験の有無で違いが見られました。また、導入を前提とすると肯定率が10%上昇することも分かりました。一方で、格差の拡大や未知のリスクへの不安が強く、現状、人へ使用する場合は法的整備と倫理観の折り合いが必要であると考えられます。

PS-2

研究タイトル「葉山港A防波堤が逗子海岸浸食に及ぼす影響」環境科学賞

逗子開成高等学校
齊藤雅流さん(1年)

葉山港A防波堤の建設が逗子海岸の浸食に関与している可能性が指摘されているため、その影響を検証しました。過去の海岸の航空写真を分析し、防波堤建設前後の海岸線の変化を調査しました。その結果、西浜で海岸幅の減少傾向が見られましたが、データのばらつきが大きく明確な傾向は得られませんでした。また、データ数の不足や潮汐の影響に加え、国道134号線の建設も浸食に影響している可能性があり、今後は流体シミュレーションなどを用いてさらに分析を進めていく予定です。

PS-3

研究タイトル「ケミカルンルンライト」理化学賞

神奈川県立光陵高等学校
遠藤由基さん(2年)、新森絢人さん(2年)、内海凪さん(2年)、中山颯人さん(2年)、佐々木亮介さん(2年)、角田騎斗さん(2年)、深沢和輝さん(2年)、大石頼空さん(2年)

本研究では、蛍光体の発光原理の1つである「化学ルミネセンス」(化学反応によって光を放出する現象)に着目し、ケミカルライトの発光の仕組みを学び、温度やpHなど様々な条件下でおこる変化を調べました。市販のケミカルライトを切断し、異なる条件下での発光の強さを比較しました。その結果、温度が高いほど発光が強く、中性や塩基性の条件で強く光ることがわかりました。特に酸性条件では発光が弱くなることが確認され、これは過酸化水素水の分解が進みやすくなるためであると考えられます。今後は条件を増やし、さらなる変化を検証していきます。

PS-4

研究タイトル「夏のアイスは危険!? アイスの細菌繁殖の差を徹底調査!」微生物学賞

文京学院大学女子高等学校
伊藤静香さん(2年)、下川瑠菜さん(2年)、松本理桜さん(2年)

アイスの種類による細菌繁殖の差を調べ、アイスから引き起こされる食中毒リスクの解決策を考えました。35℃で溶かしたガリガリ君・スーパーカップ・ハーゲンダッツの3種類のアイスを標準寒天培地に塗布し、35℃で2週間培養した後にコロニー数を比較しました。その結果、ガリガリ君は最もコロニーが少なく、ハーゲンダッツで最も多くのコロニーが確認されました。乳固形分の多いアイスほど細菌が繁殖しやすいと考えられ、特に黄色ブドウ球菌のリスクが示唆されました。このことから、市販のアイスの注意書きを守り、安全に正しく摂取することが対策として考えられます。今後はアイスクリーム専門店など、その場で手渡しされるアイスでの実験を予定しています。

PS-5

研究タイトル「精油を用いたアブラナ科植物の発芽抑制」薬用資源学賞

文京学院大学女子高等学校
高橋瑠花さん(2年)

精油がアブラナ科植物の発芽を抑制できるかを調査し、効果の高い精油について検討を行いました。ローズマリーカンファー、ペパーミント、レモングラス、イランイランの精油を2.5%に希釈して、ファストプランツ(Brassica rapa)種子とともに培養し、発根と発芽の様子を4日間、毎日観察しました。その結果、精油を用いると発根・発芽ともに1日遅れる傾向があり、最も発芽を抑制したのはローズマリーカンファーで、次いでペパーミントでした。そのどちらの精油にも含まれている特定の物質が影響を与えている可能性があり、今後の研究では他のアブラナ科の植物や他科の植物への影響も調べたいと考えています。

PS-6

研究タイトル「ダメージVS茶葉トリートメント 茶葉の種類によって髪の毛の痛みにどう影響する??」生物科学賞

文京学院大学女子高等学校
杉山咲陽子さん(2年)、古山遼さん(2年)、横山百花さん(2年)

茶葉を混ぜたトリートメントが髪のダメージに及ぼす影響を調べるため、緑茶、ほうじ茶、烏龍茶のそれぞれを加えて制作したトリートメントと髪にダメージを与えるオキシドールを加えた場合に起こるキューティクルの変化をスンプ法で観察しました。実験の結果、烏龍茶ではキューティクルの増加がみられ、その一方で、緑茶とほうじ茶ではキューティクルの本数が減少し、ダメージが進んでいることが分かりました。緑茶に最も多く含まれるタンニンとビタミンCの抗酸化作用によるオキシドールから受けるダメージの低減を予想していましたが、どちらも体外で直接触れる場合では体内と同じ挙動を示さないことが示唆されました。

PS-7

研究タイトル「「可愛くなりたい」は環境に悪い!?」薬物解析学賞

山脇学園高等学校
坂井彩果さん(2年)、濱中千聖さん(2年)

一部の日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は、環境ホルモン作用やサンゴの白化を引き起こす可能性が指摘されています。本研究では、紫外線吸収剤であるオキシベンゾン3(BP-3)とメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(EHMC)の環境水中での挙動と影響を調査しました。多摩川で採水した試料を濃縮し、GC-EIMSで分析した結果、BP-3に類似したイオンフラグメントを持つピークが確認されました。この結果より、紫外線吸収剤は安定度が高く、環境水中からGC/MSによる検出が可能であることが示唆されます。今後は、最適培養条件を確立したオオカナダモを用い、紫外線吸収剤の毒性評価も進めていく予定です。

PS-8

研究タイトル「岡山県倉敷市内における外来産のカメの移動」生物学賞

山脇学園高等学校
山﨑春奈さん(2年)、内村眞香さん(2年)

外来種であるミシシッピアカミミガメ(アカミミガメ)とクサガメの繁殖を抑える上で、原産国と日本の気温差は大きな手掛かりになると考え、その冬眠行動に着目し、日本の環境への適応状況を検討しました。2012年11月から2013年2月までの行動データを基に、冬眠期間の比較と駆除法の考察を行いました。調査の結果、アカミミガメは11月上旬から長期間安定して冬眠する傾向があり、一方で、クサガメは冬眠開始が遅く、冬眠中断の頻度も高い傾向が見られました。アカミミガメは日本の冬の低温に適応しづらく、クサガメは適応できていることが示唆されます。よって、クサガメは冬でも春・秋と同じようにトラップを活用し、アカミミガメは手探りでの駆除が効率的ではないかと考えられます。

PS-9

研究タイトル「コルクで土が蘇る!! ~廃コルクを用いた土壌改良剤の実用性~」環境科学賞

山脇学園高等学校
小倉ゆいさん(2年)

硬葉樹のコルクガシの皮層を圧縮して得られるコルクの廃棄量は年間1000トン以上となり、環境に甚大な影響を与えています。そこで、本研究では廃棄されるコルクを土壌改良に再利用できるかどうかの検討を行いました。コルクパウダーが土壌のpH調整や植物の成長に与える影響を調査した結果、コルクパウダーが強アルカリ土壌のpHを中性付近に安定させる効果を持つことが確認されました。また、土壌の保水性向上の可能性も示唆されましたが、植物の成長への影響は確認できませんでした。今後は、使用済みコルクの影響や、微生物の活動への影響を含めた追加実験を進め、土壌改良剤としての実用性をさらに検証していきます。

PS-10

研究タイトル「ヘアアイロンで髪は傷むのか」生化学賞

山脇学園高等学校
萩原汐理さん(2年)

ヘアアイロンの使用が毛髪に与えるダメージについて数値化し、髪が受けるダメージレベルを可視化することを目的に研究を行いました。発表者自身の毛髪を用い、ヘアアイロンを用いて異なる温度・時間・摩擦条件で熱処理を行い、引張強度の変化を測定しました。実験の結果、短時間の熱処理では大きな変化が見られませんでしたが、50秒の加熱では160℃処理の毛髪が最も引張強度が高くなりました。摩擦処理後は強度が低下し、毛髪のダメージが確認されました。毛髪のダメージは熱や摩擦の条件によって異なり、さらに個人の髪質や処理の違いも影響するため、今後はより詳細な検証が必要だと考えられます。

PS-11

研究タイトル「ミャンマーの化粧品は紫外線を集めてる?」香粧品化学賞

山脇学園高等学校
矢ヶ崎葵さん(2年)、渡邉陽日さん(2年)

ミャンマーで一般的に使用されている化粧品「タナカ」は高い紫外線防御効果があると評価されていますが、その具体的な効果についての先行研究が少ないため、本研究ではタナカの紫外線防止効果の有無について検証しました。実験の結果、タナカは紫外線防止効果が弱く、むしろUV-A(395nm)の紫外線を集める傾向が見られました。また、植物の光合成への影響を調査しましたが、光合成への促進効果は確認されませんでした。今後はタナカが集める紫外線の波長範囲を詳細に分析し、紫外線除菌などの新たな用途への活用ができないかどうかを検討していきます。

PS-12

研究タイトル「タコの吸盤の性質」生命物理賞

山脇学園高等学校
野口真理さん(1年)、目崎礼実さん(1年)、髙村香凜さん(1年)

発表者らはタコの吸盤の構造が耐震技術に応用できる可能性に着目し、タコの吸盤の耐久性と吸着力の特性について調査を行いました。タコの吸盤における異なる素材への吸着力の違いを比較し、ばねばかりを用いて吸着力の測定を行いました。実験の結果、ガラスのような平滑な面では吸着しやすく、凹凸のある石では吸着力が低下しました。また、吸盤の直径が4cmのときに最大の吸着力を示しましたが、吸盤の容積との関係性は見られませんでした。今後は直径4cmの吸盤のサンプル数を増やし、吸着力の特性をより詳細に検証する予定です。

PS-13

研究タイトル「パクチーの虫よけ効果」天然物化学賞

山脇学園高等学校
石毛奈子さん(1年)

パクチーの虫除け効果を検証し、虫除け効果のある有機肥料の開発を目指しました。虫除け効果の検証に必要な虫の忌避行動の基準を確立するため、好物である砂糖を用いてレッドローチの行動観察を行いましたが、レッドローチの行動には一貫性が見られず、忌避行動の基準を確立するにはさらなる検討が必要だということが明らかになりました。砂糖以外にも、体調や習性、フェロモンがレッドローチの行動に影響を与える要因として考えられるため、今後は実験条件を整えた上で、パクチーの忌避効果を検証し、有機肥料への応用を目指していきます。

PS-14

研究タイトル「火星で最も効率が良い酸素の発生方法は?」理工学賞

山脇学園高等学校
呉みんはさん(1年)

火星は太陽系で唯一生物が生きられるハビタブルゾーンに属していることから発表者は、今後、人類が火星で生活する可能性を考え、火星において人間が生存するために必要な酸素を効率よく発生させる方法を検討しました。火星の環境を想定し、土壌を触媒として利用し、電気分解で酸素を発生させる実験を行いました。実験の結果、土壌混合状態では酸素の発生量が少なく、土から金属元素を取り出して使用する必要があると分かりました。今後は土壌からの金属元素(鉄、カルシウム)抽出方法を考案し、効率の良い酸素の発生方法確立に向けて再検証を行う予定です。

PS-15

研究タイトル「種の洗浄効果」衛生科学賞

山脇学園高等学校
久保木菜々子さん(1年)、斉藤友奏さん(1年)

発表者らは廃棄される種の量を減らすため、汚れを落とすことに適した種を発見し、再利用する方法の確立を目指しました。活用方法の検討のため、洗剤として使用されていたムクロジと大豆の洗浄効果を検証しました。ガーゼに付着させたケチャップに対し、大豆とムクロジがどのような条件で洗浄効果を示すのか、分光光度計を用いて数値化、比較しました。実験結果から、大豆単体よりも大豆に洗剤を加えた方が高い洗浄効果を示しましたが、大豆自体の色が影響した可能性があります。一方、ムクロジを2週間浸けた水を10mL使用した際に洗浄効果が期待できる結果となりました。今後は実験結果の再現性と共に、ムクロジ以外の種についても検討を考えています。

PS-16

研究タイトル「小豆の機能について」食品科学賞

山脇学園高等学校
堀川晃瑚さん(1年)、蒔田心雪さん(1年)、眞島陽菜さん(1年)

発表者らは市販の「小豆のアイマスク」という商品より着想を得て、小豆の保水・保温機能を検証し、その原理を解明することで、廃棄野菜や雑草の有効活用の幅を広げ、ごみの削減へつなげていけるのではと考え、研究を行いました。実験として、保水機能はビーカー内の水分量の変化を測定し、保温機能は電子レンジで加熱した後の温度変化を観察しました。実験の結果、保水機能では小豆が水分の吸収と放出を繰り返していることが確認されました。保温機能については、大豆も小豆と同程度の効果がありましたが、緑豆は効果が低いと判明しました。今後、小豆の殻の役割をさらに詳しく調べ、保温・保水機能のメカニズムを明らかにする予定です。

PS-17

研究タイトル「クモ糸の強化」生物工学賞

山脇学園高等学校
北澤光さん(1年)、神藤柚香さん(1年)、木村万葉さん(1年)

クモ糸の特性を生かした新素材を作ることを目標とし、紫外線を跳ね返す二酸化チタンをクモ糸に付着させて強化した繊維の開発の検討を行いました。クモ糸と他の繊維の持つ物理的な構造を調査するため、クモ糸、絹糸、ポリエステル、麻糸の構造を光学顕微鏡で観察し、水と油の異なる条件下で比較しました。実験の結果、クモ糸は絹糸と外見が似ていますが、より細く、油浸状態で観察しやすいことが分かりました。また、クモ糸は加工せずに採取したままの状態の方が二酸化チタンが付着しやすいと考えられます。今後はクモ糸への二酸化チタンの付着方法を検討し、引張強度を測定していく予定です。

PS-18

研究タイトル「追体験を利用したいじめの防止法」教育科学賞

山脇学園高等学校
守屋侑音さん(1年)

令和4年のいじめ認知件数が68万件以上にのぼり、事態が深刻化していることをうけ、本研究では、いじめ防止のため、追体験を活用したノベルゲーム形式のコンテンツを作成し、傍観者の意識を変える取り組みを進めました。ノベルゲーム形式を選んだ理由は、プレイヤーが選択と結果を体験し、抵抗感なく問題に関与できる点にあります。現在はゲーム制作のための文献調査を進めていますが、ゲーム完成後は教材や教育動画と比較し、効果をアンケートで検証する予定です。

PS-19

研究タイトル「熱と振動」物理化学賞

山脇学園高等学校
中村咲希さん(1年)、木村朝香さん(1年)、長渡珠花さん(1年)

発表者らは「スマートフォンが冷える曲がある」という情報をきっかけに、音が温度に影響するのかについて疑問を持ち、熱を持つ物質に振動を与えると温度の下がり方に変化があるのかを調べるため、実験を行いました。水を45℃まで加熱し、40℃から2分ごとに温度を記録しました。その状態で、スピーカーで1190Hzの音を与えた場合と与えなかった場合のデータを比較しましたが、結果に大きな差は見られませんでした。振動が十分に伝わっていなかった可能性があるため、今後は音が反響する工夫や粘度・密度の異なる液体や固体を用いた実験を検討し、より正確な結果を目指します。

PS-20

研究タイトル「摩擦を減らす」応用物理賞

山脇学園高等学校
日下愛菜さん(1年)

本研究では摩擦がない場合に生じる平行移動の特性を、靴底や床の設計に応用することを目的とし、摩擦係数の変化を調べました。鉄片の底にPTFEシートを貼り、錘を追加しながらニュートンメーターで動摩擦力を測定し、摩擦係数を算出しました。実験結果から、質量が増えると2回目の測定で摩擦係数が一時的に増加し、その後安定する傾向が確認されました。今後は、他の物体でも同様の現象が起きるかを検証し、摩擦係数を安定的に小さくする方法を探る予定です。

PS-21

研究タイトル「木から糸を作る ~MDF材の活用方法~」創成科学賞

山脇学園高等学校
安中美乃さん(1年)、内田陽菜さん(1年)

廃材となるMDFの新たな活用法として布を作成し、商業的な応用を模索しました。スギの木やMDF材を用いて紙漉きの手法を応用し、異なる糊や漂白剤を使いながら紙状の素材作成を試みました。結果として、洗濯のりやデンプンのりを使用した場合はフェルト状の素材ができましたが、どのサンプルも防水性は確認されませんでした。当初予定していた紙状の素材から糸を作るという構想は現在の状況から困難であると判断し、今後は布を目指した実験に切り替え、撥水性向上の工夫を加えていく予定です。

PS-22

研究タイトル「木酢液から考える炭の再利用法」環境資源学賞

山脇学園高等学校
福田悠乃さん(1年)、松本仁実さん(1年)

木酢液が植物の成長を促進することが知られていることから、発表者らは木酢液の原料である木炭にも同様の効果があるかどうかの検証を目的に研究をすすめました。まず、春菊を対象に木酢液を用いた栽培実験を行い、水はけや吸水性にも注目しました。実験の結果、木酢液を使用した場合、春菊の茎の長さがより成長しました。また、木酢液や炭を加えた土は吸水量が減少し、水はけが向上することがわかりました。今後は研究目的である、木炭を使った春菊の栽培を行い、その成長について観察・実験を行う予定です。

PS-23

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