2025.09.22

ハマヤクサイエンス研究会第4回学術発表会開催レポート【物理系】

物理系の発表は3題ありました。

研究タイトル「クオーツによるフォノニック結晶の可能性」サイエンス学びラボ賞

安田学園高等学校
土田耀さん、檜垣晴さん、湯田凜さん

時計に利用されるクオーツの圧電効果を他分野に応用する可能性を探りました。白雲母層では結晶対称性のため振動増幅は得られず、BaTiO₃との層状化も逆に打ち消し合うことが分かりました。一方、岩石の薄片標本の偏光顕微鏡観察からSiO₂が長石と接触しやすく、固有振動数の近さから共振が期待されました。これにより、層状構造を持つ鉱物を組み合わせることで、クオーツの振動を増幅するフォノニック結晶、すなわちアンプ鉱石の実現可能性が示唆されました。

サイエンス学びラボ賞おめでとうございます
鉱物の固有振動数を測定する実験では音が頭に響き、その実験だけ先生にお願いするほどつらかったとのことですが、その努力が実を結びましたね。物理のテーマでありながら、岩石の薄片標本を偏光顕微鏡で観察するなど地学的な手法やアプローチがみられた点も新鮮で、とても魅力的でした。おめでとうございます!(編集部より)

AM-C3

研究タイトル「LEGOでお掃除!?新商品『コロッコロワイパー』」

神奈川県立相模原弥栄高等学校
岩男治明さん

粘着クリーナーとクイックルワイパーの利便性を兼ね備えた新掃除用具をLEGOで試作しました。シートの固定やローラーの昇降は紐操作で正常に機能し、使用面積は従来比1.3倍に増加しましたが、折り畳み時にローラーとシートが接着し、柄のしなりによる操作性の低下が課題となりました。今後はワイパー部分の前後対称化や柄の中央配置による改良、さらに長さ調節機能を加えることで、操作性と利便性を高めたアップデートを目指していきます。

AM-C4

研究タイトル「磁石を使って浮遊する方法」

神奈川県立相模原弥栄高等学校
岩神昊良さん

磁力とジャイロ効果を利用した「浮遊独楽」の再現と移動の可能性を検討しました。土台磁石上で独楽を回し、速度や磁石の種類を変えて安定性を調べましたが、不安定で転倒が多く見られました。さらに磁界を「溝」状に広げ前後移動を試みたところ、わずかに移動は確認できたものの安定性に欠けました。今後は独楽の質量や回転速度を増してジャイロ効果を強め、傾斜以外の外力や専用装置による安定化を検討します。

AM-C5

◆ハマヤクサイエンス研究会 第4回学術発表会 ほかの研究分野の発表を見る

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