2021.09.09

既成概念にとらわれず、おいしさと健康価値を両立した商品を作っていきたい

【第3回】

アサヒグループ食品株式会社 
鈴木 恵梨華さんSuzuki Erika

多様多彩な理系のお仕事を紹介します。

現在の仕事を選んだきっかけを教えてください。

大学院時代は、国立がん研究センターでがんの研究をしていたのですが、たまたま患者さん向けの栄養補助ゼリーを飲んだ時に、その味わいに衝撃を受けたことが現在の職に就いたきっかけでした。それまで健康に配慮した商品についてあまり意識していなかったのですが、おいしいものであれば、たくさんの人が利用してくれるのではないかと考えるようになり、おいしさと健康価値を両立した商品づくりに携わりたいと思ったのです。

どんな商品を開発しているのですか。

私が担当している「クリーム玄米ブラン」は食物繊維が豊富な「小麦ブラン」と健康感の高い「玄米」など、自然の素材をおいしく食べやすくしたクリームサンドタイプの栄養調整食品です。
一般的な商品開発の流れの中では、マーケティング部が企画した商品コンセプト案をもとに、おいしくて安全な商品を作っていくことが商品開発部の仕事です。食品の開発は味や食感が重要となるので、候補となる原料を選び、マーケティング部と評価しながら、研究所で試作と試食を繰り返し、処方を完成させます。

処方ができれば、いよいよ工場で生産します。試作品を作っている際は、工場で大量生産しても品質が変わらないように、製造ラインを意識しながら作っていますが、実際に製造ラインにのせれば課題が出てくることもありますので、商品開発部のスタッフが立ち会います。

また、パッケージ裏面の原料表示や栄養成分表示も作成します。

毎年、春と秋を中心に新商品が発売されるのですが、ブルーベリーやクリームチーズといった定番品も時々リニューアルをしているので、年間を通して商品開発に携わっています。

商品開発で苦労していることを教えてください。

お客様が求めている味づくりです。例えば、レモンの味を作ろうと思った時に、レモンの酸組成を調べて作っても、味のバランスが崩れていていることがあります。味覚と数値のギャップというのがあって、経験が必要になります。メープル味を作った時も、メープルシロップの複雑な味わいを出すために、原料メーカーや先輩と相談しながら商品を作り上げました。商品が発売された時は達成感がありましたし、友達からおいしかったと言われた時はうれしかったですね。

これからやってみたいことは?

商品開発部からマーケティング部に企画を提案することもできるので、既成概念にとらわれず、あらゆる原料と製法を試して、特に若い人たちの間で話題になるような商品を作りたいですね。

日頃から街中で評判のいいケーキを購入して、どのように味を合わせているのかを調べて、それをどう商品に落とし込むか、先輩方と一緒に模索しています。

学生時代に学んだことで生かされたことは?

国内の健康・栄養食品市場はたんぱく質ブームで、たんぱく質を訴求した商品が多く出回っています。クリーム玄米ブランも1製品あたりたんぱく質を10グラム配合していることを訴求しているシリーズもあり、商品開発ではその配合量を担保して処方を組まなくてはいけません。原料をどれくらい配合すればいいのか、品質を安定して製造する方法などを考えます。こういうところで学生時代に培った考える力が必要になってきます。

それから、品質担保のために、例えば一般生菌数や大腸菌群分析、ビタミン分析等数多くの分析をするのですが、今行っている分析方法は妥当なのか、そうでなければ、最適な分析方法を探すなど、学生時代に学んだ実験手法も役立っています。

職場環境について教えてください。

商品開発部はスーパーフレックスが導入されており、自分のペースで仕事ができますし、泊り込んで仕事をするなどということもありません。

私がいる所属している部署は約6割が女性です。私の先輩も利用しているのですが、産休や育休はもちろんのこと、時短勤務もできるので、子育てしながら働くことができます。女性にとって働きやすい環境だと思います。

最後に学生に向けてメッセージをお願いします。

過去の経験や勉強が仕事につながることもあるので、興味のあることはなんでも挑戦して、吸収していってほしいと思います。

鈴木 恵梨華 (すずき・えりか)

アサヒグループ食品株式会社 研究開発本部 商品開発二部
神奈川大学理学部を卒業後、東京大学大学院新領域創成科学研究科に入学。同大学の連携大学院である国立がん研究センターでがんの研究に従事する。2019年にアサヒグループ食品株式会社に入社し、焼き菓子の開発に携わる。趣味はドラマやアニメの鑑賞。最近よく見るのは韓流ドラマ。好きなアニメはソードアート・オンライン。

(取材実施 2021年7月)

アサヒグループ食品株式会社

タブレット菓子の「ミンティア」、サプリメントの「ディアナチュラ」、乳児用ミルクの「はいはい」、フリーズドライブランドの「アマノフーズ」など、生活者の健康な食生活を支える多彩でお馴染みの商品を数多く手掛けるアサヒビールグループの総合食品メーカー。

アサヒグループ食品株式会社

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