2021.10.21

研究の毎日は楽しい。黙々と作業するイメージを持たれがちだけど、楽しめるポイントはたくさんある。

【第5回】

山口舞佳さんYamaguchi Maika

薬学/サイエンスって何を学ぶの? 日々研究に打ち込む学生に話を聞いてみました。

山口さんが取り組んでる研究テーマについて教えてください。

私が行っているのは「光反応」といって、光を当てることで反応を進める方法です。「化学反応」と聞くと、いろいろなものを混ぜて加熱するイメージが強いと思いますが、光反応では、熱の代わりに光のエネルギーで反応を進行させ、熱では生成しない化合物を得ることができます。シンプルな構造の化合物に光を照射して、多くの医薬品に含まれる複雑な構造を一挙に構築する研究をしています。

光反応を利用して薬の一部を作るということですか?

そうですね、例えば天然から得られる化合物を薬にしようとする場合、薬として開発するために必要な量が得られない場合があります。そこで、光反応を使って天然物の部分構造を作り出すことで、効率的に供給することができるようになると考えています。私の研究が効率的な医薬品の合成につながることを目標に、毎日楽しく実験しています。

山口さんはなぜ研究の道に進もうと思ったのですか?

叔父が薬剤師、母が臨床検査技師だったこともあり、高校生の頃は薬剤師になりたいと考えていました。残念ながら、薬学部の6年制学科には合格できなかったため、4年制学科に入学しました。
しかし、研究室に入って3年目になり、実験などを経験する中で将来は研究職に就きたいと考えるようになったので、今となっては研究に集中して取り組める環境でとてもよかったと思っています。

研究ではどんなところに面白さを感じていますか?

光反応では、イルミネーションのように綺麗に発光するパネルや、様々な色がついている試薬を使うので、研究していて楽しい気持ちになります。これは研究とは関係ないんですが、様々な試薬を混ぜ合わせてカラフルな色のサンプルを作り、それを試験管に入れて飾っているので、私の実験台の上はかなり賑やかな感じになっています(笑)。
研究と聞くと、黙々と記録したり観察したりしているイメージを持たれがちですが、楽しめるポイントは意外とたくさんあるんですよ。

最後に科学を志す学生へメッセージをお願いします。

今のうちにできることは精一杯やってほしいですね。だけど頑張りすぎずに、楽しむときは楽しむ、休むときは休むと、切り替えながらやっていってほしいと思います。

山口舞佳(やまぐち・まいか)

横浜薬科大学大学院 薬科学専攻 修士課程1年
趣味は音楽鑑賞。好きなバンドのインストアイベントに行くこと。

(取材実施 2021年5月)

この記事をシェア!

▲